21世紀 むし歯は「予防」という「治療」をする時代です
一昔前まで、むし歯は削って治すのが治療でした。でも今は、むし歯になる原因や仕組みがわかってきてむし歯にならないようにできてます。上手に歯医者さんとのお付き合いをして、むし歯のないお口で一生を快適に過ごしましょう。

むし歯になるメカニズム
私たちの中では、歯を溶かす作用(脱灰)と歯を守る作用(再石灰化)が同時に行われていて、このバランスがとれていれば歯は健康です。ところが何かの原因で歯を溶かす作用が強くなると、歯の表面からカルシウム分がどんどん溶け出してむし歯が始まります。

新しい予防の考え方
かかり始めた虫歯が本格的なむし歯になるまでには、思いのほか時間がかかります。その間に歯を守る作用を強くし再石灰化を促す適切な治療をすれば、むし歯の進行を止め元の状態を回復させることができます。

むし歯と個人差
同じ生活をしていてもむし歯になる人とならない人がいますが、これは口の中の条件が異なるからです。
歯を溶かす作用を強める条件はいくつかあり、この条件への反応には個人差があります(カリエスリスクといいます)。まずは口の中の条件を調べる検査(カリエスリスク検査)を受けて、あなたがどんな条件の持ち主かを知りましょう。

予防プログラムとその実践
これからの時代は、「予防から健康増進を目指す時代」です。歯科医院では、様々な検査結果をもとに、患者さんの生活全体を総合的に判断してその人にあった予防プログラムをたてます。私たち歯科の専門スタッフは、定期的な検査を通じて、これからの予防プログラムがうまく行われるよう患者の皆様をサポートします。

家庭と歯科医院で行うフッ素によるむし歯予防
むし歯予防にはいろいろな方法がありますが、中でもフッ素の応用は、歯質を強化しむし歯を守る再石灰化の作用を促す予防法としてその効果が期待されています。

フッ素洗口法
低濃度のフッ素溶液をお口に含みブクブクうがいをする方法です。これまでの調査では、予防効果がはっきり現れています。坑口液に含まれるフッ素の量は、紅茶やウーロン茶からは安全という結果が出ています。乳歯が揃う幼児期から永久歯が生え揃う中学期まで、継続してフッ素をすれば、予防効果は成人になるまで続きます。

フッ素の歯面塗布
フッ素溶液を直接歯に塗ります。使うフッ素の量が多いので歯科医院で専門家が行います。13歳児未満のむし歯多発症の患者さんには、保険診療で行うことができる治療です。乳歯が生え始めたら、その都度その都度何度も繰り返し塗って予防の効果を高めます。フッ素洗口と一緒に行えば予防効果はいっそう高まります。

フッ素入り歯磨き剤の使用
毎日のブラッシシグに使うことで、フッ素との出会いを多くできます。少量のフッ素も回を重ねれば大きな効果につながります。世界的に最も普及したむし歯予防の一つがこのフッ素入り歯磨き剤の使用です。他の方法と一緒に使っても、使用量や頻度を守って使う限り、体に害はありません。

フッ素入りジェル
ブラッシング後フッ素人りジェルを歯の表面に塗ります。むし歯になりやすい条件が揃っている人、唾液の量が少ない人の場合は、フッ素人りジェルを追加して使い、フッ素の効果を確実に高めます。

PMTC(Profrssional Mechanical Tooth Cleaning)
歯科医師、歯科衛生士が、機械を用いて歯垢や歯石を除去することを「P.M.T.C.(Profrssional Mechanical Tooth Cleaning」といいます。治療が完了した後も、健康な状態を維持していくには、ご家庭でお口の汚れ(歯垢)を十分に落とすブラッシングをしていただく必要があります。しかしそれを完壁に行うことは難しく、必ず行き届かないところがでてくるものです。特に歯と歯の間、被せもの(クラウン)の周りなどは、問題が発生しやすいところです。PMTCの目的は、ホームケアでは清掃が不十分な部位を、専門家の手で管理することによって病気から守ることです。私たちスタッフは、皆様のお口を健康な状態に保つために、定期的なPMTCをおすすめしています。

当院では歯のエステ室を準備しております。
いつでもお気軽にお尋ねください。